エッジーナの名言】スプニツ子!「届かなかったら何一つ変わらない」

 

届かなかったら何一つ変わらない。観測されないものは存在しないも同じ

ーースプニツ子!

 

 

Hiromi Ozaki at a MIT Media Lab faculty meeting” by Joi Ito is licensed CC BY 2.0

 

スプニツ子!(Sputniko!)(1985-

現代美術家。元MITメディアラボ助教授。東京大学生産技術研究所特任准教授。

 

 

映像や音楽を使った作品を発表して東京やボストンを拠点に活躍している現代美術家。マサチューセッツ工科大学の元助教授で、現在は東京大学生産技術研究所特任准教授です。

 

今回は彼女の経歴と、上記の名言を取り上げていきたいと思います。

 

スプツニ子!さんは198571日東京生まれ、父が日本人、母がイギリス人のハーフで、両親ともに数学者の理系一家で育ちました。(ちなみに本名は「尾崎マリサ優美」さんで、「スプツニ子!」という名前は高校時代のニックネームだそうです。)

 

21歳の時に飛び級制度でイギリスのインペリアルカレッジ・ロンドンの数学科、情報工学科を卒業、その後ロンドンなどでフリーのプログラマーとして働いた後、デザイン系の学校に進み、性や生命倫理などをテーマとした映像作品を発表して世界中から注目を浴びます。特に有名なのは、2010年に制作した「生理マシーン、タカシの場合」という作品。これは女性の生理の痛みを再現する器具を装着するというストーリーの作品でした。

 

2013年にはマサチューセッツ工科大学メディアラボの助教授として採用され、2018年からは東京大学の特任准教授に就任しました。人工知能やバイオテクノロジーが進むこれからの世界で、科学と芸術を融合した独創的な芸術作品の発表と、教育者としての活躍が期待されています。

 

「届かなかったら何一つ変わらない。観測されないものは存在しないも同じ」

 

一見するとトントン拍子の人生を歩んできたようにも見えますが、スプツニ子!さんは2013年に書いた『はみだす力』という書籍の中で、幼少期にいじめに遭ったり、周囲からはみだしてしまう日々に悩んでいたことを明かしています。

 

しかし、そうした辛い毎日から発見したのが「はみ出す力」というものでした。むしろ周囲から理解してもらえないことこそ、自分を助けてくれる武器だったのです。

 

「このはみだす力こそ、私をこれまで助けてきてくれた武器なんじゃないかと思うようになった。」(『はみだす力』より)

 

「いろんなものを飛び超える表現って、ドキドキするし楽しいし、自分自身もそんな風に生きていきたいと思っている。」(『はみだす力』より)

 

本当の気持ちを外に表現するのはとても怖いことですし、「こんなことを言ったら変に思われてしまうかも」「嫌われてしまうかも」といった不安に襲われます。しかし思っていることをきちんと表現しなければ、はみだしている部分に価値を見出してくれる人との貴重な出会いも得られませんし、本当に「ドキドキするし楽しい」体験もできません。

 

「届かなかったら何一つ変わらない。観測されないものは存在しないも同じ」

 

特に現代はインターネットで世界中の人々に考えを発信し、「はみだす力」を存分に発揮できる時代です。はみだすことを怖れて引っ込み思案になってしまっている時には、ぜひスプツニ子!さんの言葉を思い出し、「はみだした自分」を世界の誰かに届けることに挑戦してみましょう。