『編集長ぴつこの悩み相談』風呂嫌いな女とファブリーズのマーケティング

ぴつこさん、こんにちは。私は43歳会社員で既婚者のペンネーム、ハリーポタ子です。私の悩みは“風呂嫌いなこと”です。とは言え、仕事に行くときや人に会う前は風呂に入ります。因みにゴールデンウイークは丸四日風呂に入りませんでした。夫には「そろそろ風呂に入ったら」と言われます。他人に会わなければ風呂に入らなくて良いというマイルールで生きてきましたが、やはり毎日風呂は入るべきなのでしょうか?

 

 

ぴつこ「悩みといいペンネームといい、しょうもないわねぇ

根津「丸四日はありえませんね。頭とか臭くなりますしね」

ぴつこ「じゃあ、ちょっと、匂いつながりでファブリーズの話をしましょう。PGの開発チームが意を決して作ったのがファブリーズなんだけど、出来た時は“日常にある嫌な匂いが一瞬で消える”なんて商品は今までにないし、皆が求めている待ちに待った商品だろうって生まれたの。そんで、売り出そうってなってマーケットチームも集められて。商品自体がすごいから、ファブリーズの価値さえ伝えれば、それだけで売れるだろうって思っていたわけ。“日常にある嫌な匂いが一瞬で消える”ってうたえば売れない訳がないって思っていたの」

根津「ということは当初は売れなかったんですか?

ぴつこ「そう、売れなかったの。だから調査をしたのよ。そしたら、誰も自分の家の匂いや身の回りが臭いと思っていないことが分かったの」

根津「確かに、人の家に行ってみて、ペットを飼っている家はのペットの嫌な匂いがするとか、たばこ臭くて嫌な匂いの家だな、とか思いますけど、自分の家の匂いは自分では悪く感じたことないですね

ぴつこ「ペットの嫌な匂いとか言うけど、ペットの嫌な匂いって思うのは他人であって、自分とかその家に住んでいる人は分かんなくなっちゃっているの。だから、そもそも匂いってそんなもんなのよ」

根津「自分では分からないけど、他人がどう思うかってことですか?」

ぴつこ「そう。嫌な匂いは他人のものだって分かったのよ 

根津「なるほど」

ぴつこ「その調査結果で、自分の嫌な匂いを消すニーズがないって分かったわけ。じゃあ、生活の最後のご褒美にしましょうってことになったの。家の掃除を全部終わらした後の仕上げに除菌も出来て臭いもなくなるファブリーズをしましょう。っていう方向にしたら売れ始めて流れが変わったって言うのがファブリーズ。だからね、ハリーポタ子さんの匂いも一緒に生活している人にとってはどうってことないことなのよ。匂いは他人のものという考えからしたら、ハリーポタ子さんの“他人に会わなければ風呂に入らなくて良い”っていうのは決して間違っていないんじゃない」

根津「そうですね。他人に会う時は臭みを出さないように風呂は入るわけですものね。他人には迷惑はかけていませんが、旦那さんには迷惑かけているような気もしますが

ぴつこ「迷惑ってことはないかも知れないけど、セックスレスの原因にはなるかもね。それか、旦那がナポレオンみたいな特殊な性癖だったらセックスレスにはならないかも」

根津「ナポレオンは臭いフェチだったらしいですね」

ぴつこ「そう、ブルーチーズの匂いを嗅いで“おお、ジョセフィーヌ!” と言ったとか」

根津「では、ハリーポタ子さんは間違っていないと。ただ、旦那さんが臭いフェチでない限り、セックスレスになる可能性を持ち合わせているということでしょうか?」

ぴつこ「そんなとこでいいでしょう」

来週もお楽しみに♪