【本日のアゲ本】 自分をブランド化して起業する方法

「愛されてしっかり稼ぐ! セルフブランディング起業術」
飯沼暢子 著/同文舘出版

商品でもサービスでもなく、「あなた自身」から出発する起業術

起業して成功したい! 夢を実現したい! W2.0の読者なら、そんなことを一度は考えたことのある方も多いと思います。実際、ひと昔前に比べれば起業のハードルも下がっているのは事実です。

一方、立ち上げた企業が存続する割合は、なんと半分以下。5年後には15%とも言われており、成功するためのハードルはなかなか高そうです…。

本書の著者、飯沼暢子氏もかつて起業に挑んで失敗した人物のひとり。「食事の美容家」として独立したのですが、ビジネスはなかなか軌道に乗らず、一度は夢破れて会社員に戻っています。

しかし、その失敗から多くを学んだのが彼女。「人は商品そのものではなく、その背景にあるこだわりと目的に価値を感じて購入を決める」ことに気づき、「セルフブランディング企業術」を生み出します。そして、自ら個人・法人向けコンサルティングを行う「世界観プロモーション」を立ち上げて独立に成功するのです。

本書はこうした経験やメソッドをもとに、「人」にフォーカスした起業の方法と醍醐味を存分に紹介する一冊。セルフブランディングを軸にした起業に必要な具体的な計画の作り方から、ビジネスを効果的にプロモーションするためのテクニックまでを解説しています。

詳細は本書を読んでいただくとして、ここではセルフブランディング起業に著者が必要だと考える5つの力を紹介します。

(1)実現力

夢を描き、自分の現在の立ち位置と目的地を見定めて行動する力

(2)表現力

自分がライバルよりも得意なことを発見し、それを表現する肩書きやコンセプトを作る力

(3)コミュニティ力

自分を応援してくれる仲間やフォロワーを集める力

(4)商品企画力

独自性を高め、お客さまへの最高の贈り物となる商品を生み出す力

(5)販売力

商品の単価をあげる力

本書の特徴のひとつは、これらの力を身につけるための格好のツールとしてSNSを挙げている点。セルフブランディングとは、まず自分を知り、見せ方を磨いてお客さまを惹きつける存在になることです。そのためにも、自分は何者なのか、何をお客さまに提供して、どんな世界をつくりあげたいのか。自分の唯一無二の部分に着目し、その「世界観」を思考や行動、言葉や画像で表現していくことが大切となります。そして、「あなた」というブランドのストーリーや世界観に共感するお客さまを引き寄せるツールとして、SNSを活用しない手はありません。

本書ではセルフブブランディングのためのSNSの使い分けや投稿のコツ、取り組むべき優先順位はもちろんのこと、しっかりとビジネスにつなげるためのステップメールやメルマガなどのテクニックも紹介されています。

起業というと、どうしても提供する商品やサービスを出発点に考えがちですが、自分のブランド化から始めるという着眼点が意外と新鮮で貴重です。特に「好きなことで起業したい」「自分らしさで勝負したい」と考えている女性にとっては、一読の価値がある書籍だと思います。