【本日のアゲ本】カロリー制限はもう古い! ダイエット知識をアップデートせよ

 


ハーバードメディカルスクール式 空腹解消ダイエット
デヴィッド・ラドウィグ 著/ 文響社(2018年)

ダイエットに必要なのは我慢ではなく正しい知識

次から次へとあらわれる新しいダイエット法。これだけ多くのダイエット情報が世にあふれているのに、なぜダイエットに失敗する人はあとをたたないのか? 答えは簡単、過度の我慢によってリバウンドする人が大半だからだ。

思春期以来つねにぽっちゃりしていた私も、あらゆるダイエットを試してきた。古典的なカロリー制限からはじまり、酵素ダイエットや耳つぼダイエットもやった。ダイエット専門の某有名パーソナルジムにも通った。そこでの食事制限は過酷をきわめ、仕事中に頭がまわらなくてフラフラになったこともあった。地獄のような脂質・糖質制限の結果、2ヵ月で9キロの減量に成功。でも、ジム通いを辞めたとたん狂ったように食べまくり、体重は2ヵ月もたたないうちに元に戻った。

それだけ人の飢餓への恐怖は強烈だといえる。食欲をなめてはいけない。

本書で提唱している「空腹解消ダイエット」は、過度な我慢を強いるダイエットとは一線を画す新しいダイエット理論だ。著者はハーバード大学医学大学校の権威なので、徹頭徹尾科学的な理論でもある。

著者が20年にわたる研究の中で編み出したのが、「脂肪細胞を再プログラム」して痩せるという新しい手法だ。簡単にいうと、一定期間は菓子パンやクッキーなどの加工された炭水化物を減らし、かわりに肉や魚、野菜、オリーブオイル、ナッツといった栄養価の高い食品を好きなだけ食べるという手法になる。その間、カロリー制限、つらい運動、空腹に耐える必要は一切ない。

特筆すべきは、空腹解消ダイエットを実行すればするほど、炭水化物への渇望がなくなっていくということ。だいたいデブは炭水化物が大好きだ。炭水化物への誘惑をいかに断ち切るかが、ダイエットの成否をわけてきたといっても過言ではない。

加工された炭水化物を食べすぎると、脂肪細胞が誤作動を起こして、さらに炭水化物を欲するようになるという。だが、本書が掲げる栄養たっぷりの食事プランを実行すれば、体中が栄養分で満たされ、炭水化物への渇望がなくなっていくはずだ。炭水化物が大好きだという人こそ、空腹解消ダイエットに取り組んでほしい。