【実録!ラクして美魔女〜】 No.001 さらば、にっくきセルライト。

 

ワタシはメスを入れずにどこまで若さを保ち、美しくなれるのか?

 

これは40代を美しさのピークに持っていこうと奮闘する女が、美容グッズやエステ、化粧品、健康フードなど、整形以外のあらゆる商品・サービスを試し、できる限りラクしてワタシ史上最高の美を追求する体験記である。

 

第1回は、日本初のセルライトケア専門店として有名なパーフェクトラインに潜入。どんなに頑張っても消えてくれないセルライト。にっくき女の敵を専門店は果たして成敗してくれるのか!?

 

ダイエットは明日から〜♪うまいものに目のないワタシ。てか、女ってやつはたいていね笑

 

かつて、「ダイエットは明日から~♪」というCMがあった。ダイエット中の女が美味い物を目の前にすると大体がこんな気持ちになる。

 

女という生き物は肌をさらさない期間は多少太ってもいいと考えている。

 

正月は実家に帰り、オカンの出してくれる料理を平らげ、友達とホテルのスィーツバイキングをスカートのファスナーを下げながら食べる。テレビでイケメン俳優が「女の子はポッチャリくらいが可愛い」なんて言っているのを鵜呑みにし、部長が出張先で買ってきた博多の通りもんを頬張り、大阪に出張に行くという同期の男性に、551蓬莱の肉まんを買ってくるように命令。

 

気が付けば、冬も終わりに近づき、ダウンコートのように着ぶくれた体と睨めっこ。デパートに行けば、夏服がディスプレイされており、さすがにヤバいと感じ、食事を春雨スープにしてみるが痩せない。夏休みには沖縄旅行を企画し、友達と水着を見に行くが試着室の鏡に映る自分に気絶しそうになる。沖縄で出会いがあるかも…と恋の予感を膨らませていた自分が恥ずかしくなる。

そして、太ももから尻にかけて今までなかった、ボコボコとしたセルライトが見え隠れ。もう、「まぼろしー!」と叫びたくなる。

 

慌ててふためき、スマホで「セルライト」、「夏までに痩せる」、「ダイエット」というキーワードを検索しまくる。目を血走りながら、画面をスクロールしていく。

 

すると、スパルタなボディメイクサロンを発見!その名も「パーフェクトライン」。マシーンでセルライトを除去するので、痛いが効果が抜群なのだそうだ。女は駆け込み寺の如く、パーフェクトラインに駆け込んだ。

鈴木奈々似のお姉さん登場!

 

女は「たのもー!」とパーフェクトラインの門を叩いた。すると、元気がいいボディプランナーが門を開けてくれた。

この、無駄に元気がいい鈴木奈々を賢くしたようなボディプランナー(以降、奈々ちゃん)は女の願望に耳を傾けてくれた。奈々ちゃんは自信を無くしている女に「顔小さいですね~」とか、「全然、太って無いじゃないですか!」などと言い、女を勇気づけた。

 

そして、奈々ちゃんは私の憎いセルライトを成敗してくれると、約束してくれた。

 

施術室に通され、紙ショーツに着替えるように言われた。奈々ちゃんは「Tバックタイプになっているので紐の方を後ろでお願いします」と言った。女は“紐の部分を前にして履く人は、叶恭子さんくらい股に自信がある人であろう”と思った。

 

Tバックに着替え、ベッドに横たわる女の姿は、すしざんまいの社長が競り落とした本マグロのようである。そんな間抜けな姿にも関わらず、奈々ちゃんは笑いもせず一生懸命、女の体を施術しようとしている。

 

奈々ちゃんは女に「このジェル、先ほどお話したセルライティなんですけど、1回2700円で試せるんで塗ってもいいですか?」と言ってきた。もはや、本マグロ状態の女は「はい」と、いうしかあるまい。奈々ちゃんに一本取られた気になったが、不思議と気分は悪くない。

 

いよいよ施術!痛い?痛いのはイヤ。「ギャー!」。あれ??

 

奈々ちゃんは手際よく、女の体にマシーンを当てた。まずは、体を温める効果があるマシーンでマッサージ。これが心地よく、女は極楽顔で余裕をぶっこいていた。

 

すると奈々ちゃんが「次はセルライトを潰しますね。痛かったら言ってくださいね!」と言った。“痛いと言ったところで、どうにかなるのか” という疑問を持ちつつ、マシーンが刻と女の体に迫ってくる。まず、足首にマシーンが襲ってきた。“うっ、痛くない” と女は思った。しかし、太もものセルライトが集まっている所にマシーンが当たると「ギャー」と悲鳴を上げた。この声を聞いて、知らない人が入ってきたならば、事件が起こっていると思うだろう。

 

だが、奈々ちゃんは女に同調しつつ女の気を紛らわすようにセルライトの豆知識を話してきた。例えば、“セルライトがなくなることによって、冷え性が改善される” とか、“セルライトは肌の張りを保つコラーゲンの場所をも占領してセルライトの領土を広げていくので、肌をたるませる” ことなどを教えてくれた。

 

女は痛みと感心の狭間で体をうねらせていた。奈々ちゃんは「ほら、こんなに太ももが細くなりましたよ! 結果が出やすそうなので、2~3ヶ月でボディーラインが整いそうですね」と、予測してくれた。

 

女は思っていたほど、痛みが少なかったことと、部位によっては気持ち良いことから、本マグロ状態でいてセルライトが潰せるなら…とニヤリとした。

 

セルライトの最大の敵は、ワタシの往生際の悪さ!?

 

施術が終わり、パウダールームに通された女が、ひっちゃかめっちゃかになった髪の毛を直していると、奈々ちゃんがタイミングよく登場。

 

コース表を手にした奈々ちゃんは女に「どれにしましょうかね」と、コース表を広げた。奈々ちゃんは強気の40万円台のコースを勧めてきた。女は戸惑いを必死に隠した。“どれにしましょうかと言われても、まだコースを組むなんて言ってないし” と思いつつ「他にコースはないですか?」と発した。色々なコース表を見せてくれた奈々ちゃん。女は全身10回コース12万円くらい契約してもいいかなと心が揺らいだ。しかし、一旦、落ち着いて考えたいと思い「次回まで考えて良いですか?」と伝えると奈々ちゃんは一瞬悲しい顔をし、「次回はいつ来られますか?」と言った。「今度はいつ会ってくれるの?」と、恋人からすすり泣かれるジゴロのような気分になったが、女は寛一お宮の寛一のように奈々ちゃんを振りきった。

 

店を出た女は、ここで即決できない往生際の悪さがセルライトを作り、美ボディを遠ざけているのではないかと気付くのであった。