【エッジーナの処方箋】美容・健康に欠かせない！ いま知りたいオイルの基礎知識

いま、健康に欠かせない食材として「オイル」に注目が集まっています。オイルには「太る」「健康によくない」というイメージがあり、ダイエット中の女性には敬遠されがちでした。ですが、最近ではオイルに健康や美容、ダイエット効果などがあることがわかり、オイルとの付き合い方が見直されはじめています。

ひとくちにオイルといっても種類はさまざま。大切なのは、体にいい良質なオイルを選び、適切な量を摂取することです。今回は、自分にとって必要なオイルを選ぶために必要な基礎知識をお伝えします。

〈目次〉

1. なぜオイルが必要なの？
2. オイルの分類
3. オススメのオイル

1. なぜオイルが必要なの？

オイルは人が生きていくために必要な三大栄養素のひとつ。主に以下のような役割があります。

 

• 細胞膜をつくる

人間の体には約60〜100兆もの細胞があり、ひとつひとつの細胞には「細胞膜」と呼ばれる薄い膜で囲まれています。この細胞膜の主要な構成成分がオイルであり、オイルがないと細胞レベルで老化が進んでしまいます。極端なダイエットで油を抜くと、肌や髪の毛がカサカサになるのはそのためです。

 

• 脳や神経の機能を保つ

脳の構成成分の約60%が脂質です。そのため、新鮮で良質なオイルを摂ることで脳の神経細胞ネットワークが活性化し、脳の働きがよくなります。一方で質の悪いオイルばかり摂っていると、神経細胞が殺されて脳が老化しやすくなります。

 

• ホルモンバランスを整える

オイルは、代謝の活性をコントロールするホルモンとしても働きます。女性ホルモンは年齢とともに減少するため、女性ホルモンのバランスを整えてくれる良質のオイルを積極的に摂る必要があります。

 

2. オイルの分類

オイルにはさまざまな種類がありますが、その性質はオイルの大部分を占める「脂肪酸」の種類と割合によって決まります。

脂肪酸は酵素・水素・炭素で構成されており、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分類されます。

 

• 飽和脂肪酸の特徴

炭素同士の二重結合がないのが飽和脂肪酸です。常温で固体になることが多く、酸化しにくいという特徴があります。肉の油やバターなど動物性の油に多く含まれており、摂りすぎると生活習慣病の原因になるなどの悪影響を及ぼします。

ただし、飽和脂肪酸の中でもココナッツオイルなどに含まれる「中鎖脂肪酸」であれば、体に蓄積されず、エネルギーとして代謝されます。

 

• 不飽和脂肪酸

炭素同士の二重結合があるのが不飽和脂肪酸です。常温では液体になり、酸化しやすいという特徴があります。イワシ・サバなどの青魚や植物油などに多く含まれます。青魚に含まれる「DHA」やオリーブ油に含まれる「オレイン酸」にはコレステロール値を下げる働きがあり、生活習慣病の予防に効果があると期待されています。

不飽和脂肪酸には、体内でつくれない「多価不飽和脂肪酸」と体内でつくることができる「一価不飽和脂肪酸」があります。さらに、分子の結合状態によって「オメガ3系」「オメガ6 系」「オメガ9系」にわけられます。

 

・オメガ3系脂肪酸

体内でつくることができない必須脂肪酸で、多価不飽和脂肪酸に含まれます。代表的な脂肪酸として、青魚に含まれるEPAやDHA、また亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸などがあります。

 

・オメガ6系脂肪酸

体内でつくることができない必須脂肪酸で、多価不飽和脂肪酸に含まれます。代表的な脂肪酸として、ごま油などに含まれるリノール酸があります。

オメガ6系は加工食品など多くの食品に含まれているため、あえて積極的に摂取する必要はありません。

 

・オメガ9系脂肪酸

体内でつくることができる脂肪酸で、一価不飽和脂肪酸に含まれます。代表的な脂肪酸として、オリーブオイルなどの植物油に含まれるオレイン酸があります。

 

３. オススメのオイル

• 亜麻仁油・えごま油

一般的に、現代人はオメガ6過多、オメガ3不足の傾向があります。亜麻仁油・えごま油はともにオメガ6の含有量が少なく、オメガ3を多く含んでいるため、積極的に摂取したいオイルのひとつです。熱に弱く酸化しやすいため、加熱せずに使うのがベスト。お刺身や煮物などにそのままかけて食べるのがオススメです。

 

• オリーブオイル

オレイン酸の割合が他のオイルに比べて多いオリーブオイル。便秘解消に効果的な食物繊維も含まれています。酸化しにくいため、加熱調理にも向いています。

 

• ココナッツオイル

ココナッツオイルは植物性オイルの中でもめずらしい飽和脂肪酸に分類されます。しかも、中鎖脂肪酸なので脂肪が体につきにくく、効率よくエネルギー代謝されるため、ダイエットにオススメです。

 

以上、オイルの基本的な役割や種類についてご紹介しました。良質なオイルを選んで正しく使えるようになれば、オイルは私たちの健康や美容に大きな効果をもたらしてくれる存在です。ぜひオイルを味方につけ、健康と美しさを手に入れましょう。