【本日のアゲ本】1日数時間だけ働きおだやかに暮らしたいなら、AIに負けない思考力を手に入れよ

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』

山口揚平 著/プレジデント社(2019年)

思考力とは物事の本質を見抜く力のこと

「時短で働きたい」「家事を誰か代わりにやってくれる人がほしい」これらは、家庭をもちながら働く女性にとって共通の願いでしょう。仕事に家事に子育て。現代女性は多くの役割をしいられており、いまの社会構造のままでは時間がいくらあっても足りません。ですが、めんどうな仕事や家事はAIがすべてやってくれる時代の到来はもうすぐそこまできています。そうなれば1日8時間も労働する必要はもはやなくなり、時間に追われるような毎日からは解放されるでしょう。

AIはめんどうな仕事や家事を代わりに行ってくれる反面、私たちから仕事を奪う存在でもあります。きたるべきAI時代にどうすれば生き残れるのか? そのヒントを授けてくれるのが本書です。

グーグルによっていつでも解が得られる現代において、情報や知識にかつてのような重要性はありません。かわりに必要とされるのが、思考力や想像力を養うことで得られる「問いを問う力」、グーグルを検索して答えを引き出せる「うろ覚え力」、人に何でも聞ける「愛嬌力」です。なかでも「思考力」こそがAIに勝つための最大の武器であり、この能力さえあれば一生食べていけると筆者はときます。

では、思考力とは何なのか? それは、物事の本質を見抜く力です。効率的に仕事ができる人とは、圧倒的な速さで効率的に仕事を処理する能力をもつ人のことではありません。目に見えるものではなく、一見関係のなさそうなものの因果関係を見抜いて本質を捉えられるからこそ、行うべきことが減り、結果生産性が高まるというのが本書の主張です。

英語学習を例にとってみましょう。単語には「語源」から覚える方法があります。たとえば、「sub」の意味は「下(の)」です。そこから類推すれば、「subway」は「sub(下の)」「way(道)」であるから「地下鉄」なのだと単語の意味を導き出すことができます。このように、語源から単語の意味を類推できるようになれば、すべての単語を逐一覚えるよりよっぽど効率よく英単語を覚えられるようになります。

AIがもたらす恩恵を受けながら、AIに負けない思考力を身につけ、1日数時間だけ働いておだやかに暮らしたい。そんな暮らしを手に入れたい方は、ぜひ本書をお読みください。