『女子の人間関係』水島広子 著/サンクチ…
【本日のアゲ本】自分はこうしたい!を原動力にする方法
『幸せをつくるシゴト』
山川咲著/講談社
業界の慣習をとっぱらったエッジーナの人生応援歌
著者の山川さんは、完全オーダーメイドのウェディングビジネス「CRAZY WEDDING」の代表として有名なお方。これまで結婚する二人ではなく、ほぼホテルの都合で行われてきたウェディング業界を根底から変革した女性です。
本書は、彼女の子ども時代、会社員時代の葛藤、創業前〜創業後のCRAZY WEDDINGの軌跡が、自分の言葉で綴られています。幼少期から自由で、それでいてピュアで一途に物事に取り組んできた山川さん。人は「自分はこう生きたい」という人生をどこかに置き忘れて、なんとなく今を肯定してやり過ごしてしまう傾向にあるもの。でも、失うことを恐れて挑戦しないのは人生を失うことと同じ。だったらまずはやってみる。そこから少しずつ推進力が生まれるのだ、と「こう生きたいと思う人生にチャレンジする」ことの大切さを自身の経験をもとに説いています。
自分のキャリアや、やりたいことに迷う女性の背中を押す本
冒頭の言葉を少し抜粋してみます。
二十七歳、社会人五年目のとき。一生懸命努力して生きてきたはずなのに、理想の人生にはあと少したどり着けない。そんな気がする毎日を、私は静かに受け入れようとしていた。「この人生も悪くない」と折り合いをつけて生きる選択肢も私にはあった。(以下略)働く人も、お客様も、みんなが幸せになれる仕事をしよう。たどり着いたのはこの世界を変える、人生を変えるほどのウェディングを創るビジネスだった。
こうして会社を起業し、30年以上も変化のなかったウェディング業界に新風を吹き込み、起業一年足らずで業界の革命児としてメディアにも大々的に取り上げられるようになります。
彼女が成功を掴み取るまでの軌跡もおもしろいですが、さらに印象に残ったのは、会社の制度について紹介している部分。たとえば、社員全員を個人事業主にして、給与は自分で決められるようにしたというところは、なかなかの驚きでした。彼女はリスクも利益も平等に分配して、みんなでフェアに働くという常識を打ち立てて推進しているのです。ウェディングサービスも革命的なら、働き方や制度そのものも革命的。だからこそ成功するだけでなく、世間の注目を集めているのでしょう。
本書は、キャリアに迷う女性や、やりたいことを見つけられない女性にはぜひ読んでほしい一冊です。理想に向かって一途に走り続ける山川さんの生き様に、とにかく読んだだけで、「何かやってみよう!」「勇気が湧いてきた!」と思えるはず。何をするにしてもポジティブな気持ちがまず重要。行動するための原動力を刺激してくれる、そんな本だと思いました。