【本日のアゲ本】偉人たちの名言に心が軽くなる

『生きるのがふっと楽になる13のことば』

名越康文 著/朝日新聞出版

 

偉人達の名言を、現代の精神科医がやさしく料理

本書の著者である名越さんは精神科医で、テレビ等でコメンテーターとして有名な方です。そんな現代の精神科医が、古今東西の作家、思想家、哲学者、学者や政治家等の偉人と呼ばれる天才が遺した13のことばを名越流に咀嚼して解説した内容になっています。

名越さんは、偉人や天才は実は最も悩み多き人であるといいます。凡人が見えないことまで見えてしまって、考えなくてもいいことまで考えてしまう。その悪戦苦闘の成果をいかに私たちが参考にすればいいのか、そのヒントが散りばめられています。

まずは、本書の章のタイトルをご紹介します。

 

■第1章

「幸せな時間のつくり方」 ・最も幸せなのはどんな人?

■第2章

「才能」の見つけ方    ・無駄な努力を減らすには?

■第3章

「怒り」との接し方    ・最高のモチベーションを手にするには?

■第4章

「恨み」の上手な晴らし方 ・本当の満足感を得るには?

■第5章

「動じない心」のつくり方 ・幸福な時間を長続きさせるには?

■第6章

「親切」の行い方     ・心地よい人間関係を得るには?

■第7章

「個性」の活かし方    ・自分らしく結果を出すには?

■第8章

「有能さ」の磨き方    ・周りに感謝されながら働くには?

■第9章

「嫉妬」のかわし方    ・人を見る目を養うには?

■第10章

「思考停止」の防ぎ方   ・思い込みから脱するには?

■第11章

「新しい自分」の見つけ方 ・人生をもっと豊かにするには?

■第12章

「後悔」の避け方     ・欲に振り回されないようにするには?

■第13章

「失敗」との付き合い方  ・足をすくわれないようにするには?

 

以上のようなタイトルとなっていて、ちょっと読んでみたいと思わせるものではないでしょうか? 1章ごとに偉人たちのことばがあり、そのことばについて名越さんが詳しく解釈や自分なりの説明をしています。例として2章のことばを取り上げてみます。

「才能」の見つけ方・無駄な努力を減らすには?というタイトルの後に、「分を知らずにして強ひて励むは、己が誤りなり。兼好法師」と偉人のことばが続きます。さらにこのことばをもとに、名越さんの文章が続きます。努力が報われるために必要なことや、やみくもな努力がもたらすやっかいな結果、自分が持つ「才能」の見つけ方などについて解説。

難解な名言を、わかりやすく、しかも内容を落とすことなく説明されているところが本書の秀逸なところだと思います。

人間の本質は、いくら時を重ねても変わるものではないと言われています。やはり長い年月を生き続けてきた過去の偉人たち名言は、現代においてもやはり名言であり、現代に生きる私たちにも大いなる気づきがあるのではないでしょうか。ぜひ手にとっていただければと思います。