【エッジーナの処方箋】働く女性のメンタルケア方法「マインドフルネス」

最近耳にする機会の多い「マインドフルネス」という言葉。どんな意味かご存知ですか?

マインドフルネスは、禅の瞑想法から宗教要素を取り除いた心のトレーニング法です。最新の脳科学で「ストレスの軽減」や「集中力の向上」などといった効果が実証されていて、Google やFacebookをはじめとする世界の有名企業でも取り入れられています。

「世界で最も影響力のある女性」のひとりとして知られる、「ハフィントン・ポスト」の創業者、アリアナ・ハフィントン氏もマインドフルネスの実践者のひとり。激務で倒れた経験からマインドフルネスの習慣を大切にするようになったとして、マインドフルネスのすばらしさを発信し続けています。

今回は、仕事でストレスを抱える女性にこそ必要な「マインドフルネスの実践方法」をご紹介します。

〈目次〉

1.仕事でストレスを抱える女性こそ、マインドフルネスが必要

2.マインドフルネスの嬉しい効果

3.マインドフルネスを実践しよう

 

1.仕事でストレスを抱える女性こそ、マインドフルネスが必要

 働く女性を取り巻く環境はストレスフルです。上司や同僚との人間関係、仕事量の多さなど、働く女性の8割が仕事にストレスを感じているといいます。(エン・ジャパン株式会社が運営する『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果より)

過度なストレスを抱えていると、冷静で客観的な判断ができなくなります。結果、仕事の効率が落ちたり、パフォーマンスが下がったりします。

そんな仕事でストレスを抱える女性にこそおすすめしたいのが、今回ご紹介する「マインドフルネス」です。マインドフルネスとは、「いまこの瞬間に心を集中させ、判断を加えずにありのままを観察すること」

日常生活の多くのシーンにおいて、私たちの心のあり方はマインドフルネスとは程遠い状態にあります。仕事ではたえず納期や目標に追われ、過去や未来に対する不安や恐怖などが行ったり来たりしています。ひとことで言うと、「余計なことを考えすぎている」のです。

ムダな雑念や思考にとらわれていると、心が休まらずにますますストレスがたまります。

そんな状態を改善してくれるのが、マインドフルネスです。そして、マインドフルネスを実践するための代表的な方法が「マインドフルネス瞑想」です。

瞑想というと心をからっぽにするイメージがあるかもしれませんが、マインドフルネス瞑想は無我の境地を目指すものではありません。心に雑念が浮かんでもそれを否定する必要はなく、雑念にとらわれていることに気づいて、心を「いまこの瞬間」に戻していけばいいのです。

2.マインドフルネスの嬉しい効果

 マインドフルネスを実践すると、脳にいい変化があらわれることが脳科学の研究で明らかにされています。仕事においても、メンタルケアやパフォーマンスの向上などに役立てることができます。

 

  • ストレスが減る!

マインドフルネス瞑想を続けると、思考が一点集中型のリラックス状態になり、自律神経が整ってきます。また、過去や未来を心から切り離せるようになるため、過去の後悔や未来への不安を減らすことができるようになります。結果ストレスが減り、物事のとらえ方が前向きになってきます。

  • イライラが減る!

働く女性なら、できの悪い部下や理不尽な上司などに対して、職場でイライラしてしまう場面もあるでしょう。

マインドフルネス瞑想を実践すると、イライラの感情を観察できるようになり、感情の波に飲み込まれることが少なくなります。イライラが減ることで心が平穏になると、周囲の人間にもいい影響を与えられるようになります。

  • 集中力が向上する!

マインドフルネスによって心をいまこの瞬間にとどめる感覚がつかめると、仕事においても意識をいまこの瞬間に向けやすくなります。結果、仕事に対する集中力が向上し、パフォーマンスが上がります。

  • 洞察力が高まる!

マインドフルネスの実践で集中力が高まると、思考が整理されてクリアになります。その結果、いま行っている仕事に対する直観力、洞察力、想像力が高まります。また、いままでにはなかった考え方や、問題を解決するための糸口などが見つかりやすくなります。

3.マインドフルネス瞑想を実践しよう

マインドフルネスを実践する方法にはいくつか種類がありますが、ここでは一番カンタンな「呼吸に集中する瞑想」についてご紹介します。

私たちは生きているかぎり呼吸していますが、いちいち呼吸していることを意識していません。呼吸に気づくということは、「いまこの瞬間の」呼吸に意識を向けていることになります。つまり、呼吸に意識を向けることで、心をいまこの瞬間にとどめやすくなるのです。

実践方法は以下の通りです。

(1) 軽く目を閉じて座ります。その際、骨盤を起こして背筋を伸ばすことを意識します。

(2) 何度か深呼吸をして、吐く息ごとに身体をリラックスさせます。

(3) 5〜10分、呼吸に意識を向け続けます。

瞑想中の注意点として、無理に呼吸を深めようとする必要はありません。呼吸が浅ければ、浅い呼吸に気づくようにします。また、無理に雑念を追い払おうとする必要もありません。雑念にとらわれていることに気づいたら、落ち着いて呼吸に意識を向け直せば大丈夫です。

日々お忙しいとは思いますが、ご自身でできるメンタルケアとして1日5〜10分の瞑想を続けてみてください。