【本日のアゲ本】本当に好きなものに囲まれると心は満たされる

「上質な人はシンプルに暮らす」 細見貴子著/中経出版

 

本当のセレブに学んだ、満たされた生活を解説

本書は、著者である細見さんが、インテリアデザイナーとして接してきたセレブたちを通して、真にリッチな暮らしとは何かを語った本です。本当に満たされた生活というのは、たとえば高級レストランでおいしいものを満喫するのではなく、リゾート地で心ゆくまでバカンスを愉しむものでもなく、ブランド品を買い占めるものでもないと言い切ります。真の豊かさ、真に満ち足りた生活とはそのようなそのような非日常ではなく、日常の中にこそあると。そしてそれは、お金持ちであるかということは、全く関係がないとも。

たくさんのセレブたちに会い確信したことは、生き方も暮らしも上質で、精神的にも満たされた人々は、実にシンプルで質素な生き方をされているということです。

そのシンプルさとは、モノを持たないということではなく、価値観がはっきりしていて、迷いがないということだそうです。モノを選ぶこと、人との付き合い、行動においても、「潔くシンプル」が貫かれているということ。

たとえば「モノを持たないことが幸せの近道」という考えが書かれた本があるとします。その本を読んで、マネして、とうとうプレート1枚になるまで食器類を捨ててみた。そのときはスッキリしたけれど、しばらくしたら不便極まりなく、決して心の豊かさとか満ち足りた気持ちなどとは遠い心境であったとしたら、それは幸せでも何でもありません。

しかし真に豊かで幸せな生活をしている方なら、自分の好きなモノをとことん突き詰めていった結果、「プレート1枚」になったのであって、プレート1枚=素敵な生活、ではないとのことです。本書は、そんなプレート1枚に辿り着くための真髄が本書では述べられていて、ページの向こうに真の豊かさ、心満ち足りた世界観などが見え隠れする素敵な本です。

日常のインテリアが真に素敵なら、リゾートなんていらない。なかなか素敵なキャッチフレーズではないでしょうか?

 

それでは、本書の章のタイトルをここでご紹介します。

 

◆Chapter1「シンプルで迷いのない価値観」

◆Chapter 2「上質に生きる人の作法」

◆Chapter3「季節をいつくしんで過ごす」

◆Chapter 4「そばに置くのは本当に好きなものだけ」

◆Chapter 5「知性を深める時間を持つ」

◆Chapter 6「エレガントなたたずまいで」

 

素敵なフレーズばかりなので、読んでみよう!少し実践してみよう!という気持ちにさせてくれる本です。

最後に細見さんはこう言います。

「幸せで豊かな人生」をおくる秘訣は、好きなものを増やして、いらないものを潔く手放してゆくこと。それは今日から簡単にできることです。

「非日常」の華やかなイベントで感じる喜びや幸せは、人生においては「点」でしかありません。だけれど、「日常」が好きな人と好きなこと、好きなものに囲まれたものであったら、いつしかその「点」は「線」となり、このうえない幸せな人生となるのではないでしょうか。