【エッジーナの名言】  バーバラ・コーコラン「自分のことを哀れむ時間の長さが成功を左右する」

“成功した人間とそうでない人たちの最大の違いは、自分のことを哀れんでいる時間の長さです。”

―バーバラ・コーコラン

バーバラ・コーコラン(1949-)
実業家、投資家、テレビパーソナリティ

1,000ドルを6,600万ドルに変えた、不動産業界の“女王”

バーバラ・コーコランの名は、日本ではあまり知られていないかもしれません。しかしこの女性、アメリカでは超有名な不動産業界の大物。ニューヨーク最大の不動産会社「コーコラングループ」の創設者であり、事業売却後は投資家として活躍。不動産投資のスペシャリストとしてコンサルティングや講演、作家活動なども行い、70歳になって今もなお業界の第一線に君臨する“女王”です

コーコランはニュージャージー州のエッジウォーターで育ち、幼少期は地元のカトリック小学校に通いました。勉強はあまり得意ではなく、高校の成績は「ストレートD(5段階評価で、いわゆる“オール2”)」。その後セント・トマス・アクィナス大学に進学したものの、依然として成績は最悪。それでも、なんとか教育職の学位を取得して卒業にこぎつけます。

大学卒業後は教師になったものの、1年で教師を辞めると、ウェイトレスをはじめ20以上のアルバイトを次々と経験。その中で「自分自身の上司になりたい」という気持ちが芽生えた彼女は、当時のボーイフレンドと共同で1973年に不動産事業を始めます。当時、融資を受けられた金額はわずか1,000ドル。小さな小さなスタートでした。

しかし、事業は様々な苦難を乗り越えながらも順調に拡大していき、コーコラン自身も不動産のプロとしての腕に磨きをかけていきます。そして、彼女は仕事を通じて得られた情報と知識を生かして、ニューヨーク市内の最新の不動産動向をデータにまとめ、「The Corcoran Report」として定期的に発信しました。

すると、その優れたレポートがThe New York Timesをはじめとする主要メディアに引用されるようになり、会社の知名度と信頼度は一気に上昇。ニューヨークで指折りの不動産会社へと成長を遂げます。

2001年、彼女は事業を6,600万ドルで売却。その後、ABC放送の人気投資番組「Shark Tank」の投資家に抜擢されると、20以上の将来有望な事業に投資を行い成功させ、億万長者へと登りつめます

現在もThe Daily Reviewなどに連載を持つ不動産コラムニスト、ベストセラー作家、講演会のゲストスピーカー、ビジネスコンサルタントなど、様々な領域で第一線を走り続ける彼女。アメリカでもトップクラスの成功を収めた女性と言っても過言ではありません。

彼女が容赦なく解雇した「泥棒」とは!?

彼女は人の長所を見つけて伸ばす能力に優れており、人材育成にも定評があります。その一方で、ある特定のタイプの社員は容赦なく解雇する一面も持ち合わせていたそうです。

そのタイプとは、ずばり「文句ばかり言う人」。彼女はそれを「泥棒」と形容し、彼らに対しては決して我慢しなかったそうです。

「会社の中で文句ばかり言う人は、週末を待たずに解雇しました。なぜなら、ネガティブな人間が1人でもいると、15人もの素晴らしい人たちのエネルギーが失われるから

文句を言う人を排除することが、ビジネスを成功させる鍵だったとまで言いきる彼女。冷酷に感じる人もいるかもしれませんが、それだけ彼女はネガティブなエネルギーを脅威に捉え、逆にポジティブなエネルギーがもたらす力を大切にしていたということです。

自分を哀れんでいる時間があったら、動いてみよう。そうすれば、必ず道は開ける

踏み出す一歩を応援してくれるような、そんなポジティブなメッセージが、彼女の名言には込められているように思います。