『スマホひとつで暮らしたい』 飯島彩…
【本日のアゲ本】日常の中にある「かわいい」に目を凝らしてみる
『かわいい見聞録』
益田ミリ 著/集英社(2019年)
世界は「かわいい」で溢れている!
この本を買った日、私の心はずいぶんと荒んでいました。何が原因で、どうしてそうなっていたのかはすでに記憶にないのですが、とにかく私は落ち込んでいたのです。
「自己啓発本でも買おう」そう思っていたのに、飛び込んできたのは益田ミリさんの新作!
かわいい見聞録……。
猫のしっぽ、ソフトクリーム、シジミ、毛玉…? あれもかわいい、これもかわいい。そんな感じで益田ミリさんが日常の中でみつけた「かわいい」を拾い上げていくエッセイ。なんと癒やされる一冊なのでしょうか。
王道の「かわいい」から、これ…? え? Kawai?? ってなってしまうような「かわいい」まで、30個の「かわいい」がギュギュっと詰まっています。
今まさに、この瞬間にも世界はかわいいで溢れているんだ! 表紙を見ただけでハッピーになれちゃう本に出会えたので、身も心もさんざんだったその日は結果「良い日」になりました。
その後、1日1つずつ益田ミリさんの「かわいい」を読んでから寝るという1か月を過ごし、ニヤッとして眠りにつけることの素晴らしさを実感した私。益田ミリさんの目の付けどころが面白くて、時々クスクスしてしまうのも、ちょっとした癒しになりました。個人的には「毛玉」のお話が好きです。毛玉、かわいい。
この本を読んでから、日常に潜む……いや、実はずっとそこにある「かわいい」に目がいくように。実家の食卓で出てくる数十年物のお皿の古ぼけた葉っぱの形がなんかかわいいい、だったり。いつも通る道に雨の日だけ現れる水たまりの形がかわいい、だったり。お気に入りのカーディガンが、よくよく見たらボタンまで工夫されていてかわいい、だったり。
日常の中にあたりまえに「かわいい」があることを知ってからは、掃除をさぼったゆえに現れた綿埃ひとつ見ても「これもかわいい」と思う始末。(サボリを正当化しちゃいそう!)
とっても楽しい「かわいい」探し。益田ミリさんの真似して、はじめてみませんか。