『編集長ぴつこの悩み相談』会社と結婚した女

ぴつこさん、こんにちは。私はペンネームQちゃん、40歳の会社員、既婚者です。少々、長い悩みですが聞いて下さい。

現在、同じ会社に勤めて12年が経ち、役職は部長です。このままいけば、役員になること間違いです。年収も700万で、それなりに頑張って仕事に取り組んできました。

しかし、前回の人事で私には荷が重いポジションを引き受けてしまいました。引き受けたというか、誰もそのポジションをやりたがらないので、しょうがないから挙手して私が引き受けたのです。

全く成果が上がらず、部下からの信頼も得ることが出来ず、つらい状態です。部署の皆からも総スカンを食らって精神的にもボロボロです。夫はそんな私を思って「辛かったら、会社辞めていいんだよ。君一人くらい食わせてやれるから」と言ってくれます。因みに夫は独立しており、前年度の年収は3000万くらいでした

私も疲れ果て、会社に辞表を出したのですが社長に止められ、違うポジションにしてあげるから辞めないでくれと言われて辞表を取り下げました。

確かに、私がいないと会社は5年で潰れると思います役員もいい加減で、決めなければいけない議題があっても19時には会社を出てしまいます。それでも、私はがむしゃらに頑張って仕事を進めてきました。今は辞めたい気持ちと、責任感のシーソー状態です。一体、何をどうすればいいのか、もう分かりません。ぴつこさん、どうしたらいいのでしょうか?

根津「ぴつこ編集長、どうでしょう? 」

ぴつこ「う~ん。そもそも、Qちゃんは、随分上から目線ね。Qちゃんが辞めて、5年後にその会社が潰れたとしたら、Qちゃんが辞めたから潰れたのではなく、そもそも会社自体に問題があるのよ。それに、私が辞めたら潰れるって言えるのは図々しいにも程があるわ」

根津「それほど、Qちゃんさんの会社愛が強いのではないのでしょうか? 」

ぴつこ「そうね、Qちゃんは会社と結婚しているようなものなんでしょう。きっと、12年の間に自分の成長と共に会社の成長もあったりして、思いもひとしおなんだと思うの。そんで、700万稼いで部長にまで昇格するなんて男でも大変なのに、女でそこまで行ったことは大したものよ。それなりに頑張ったって言っているけど、相当、頑張ったんじゃないかしら? 」

根津「私もそう思います。しかし、部署の皆に総スカンはしんどいですね。旦那さんも稼ぎが良いですし、辞めることに賛成なのでしたら辞めて、新たな生活をするのもの良いのではないかと思ってしまうのですが」

ぴつこ「そうよね。それに、Qちゃんは、他の会社に転職しても年収600万は稼げると思うわよ。でも、Qちゃんは会社と結婚してしまってようなものなのよ。それぐらい会社との結びつきが強いんじゃないかしら。正直、相談受けといてなんだけど好きにしなさいよって思うの。だって、旦那も稼いでいて食うには困らないのに辞めないんでしょ。小さな世界で右往左往してさ。もっと、視野を広く物事みなさいよって思うもの。今なんて、登校拒否の小学生でユーチューバーやっている子だっているのよ。賛否はあるけれど、小学生だって物事を選択して生きてんのよ。こんだけ、生き方が多種多様なのに、Qちゃんは視界が狭すぎるわ」

根津「責任感が強いがゆえに、社長に辞めないでくれと言われて、辞められないんでしょうか? 」

ぴつこ「そんなの、アタシだって社員が辞めるとなったら一応、引き留めるわよ。けど、その子の人生だからね。Qちゃんは決断できないだけよ。それを、ああだこうだ言ったって、ダメよ。それに、総スカンの件も引っかかるんだけど、Qちゃんは皆への接し方は問題ないかしら? 役員が19時帰ってしまう無責任だって言うけど、決めなきゃいけない議題があるなら会社の入口塞いででも会議しましょうってお願いするべきでは? Qちゃんから、皆に頭を下げてお願いをしたことはあるのかしら? 」

根津「確かに。低姿勢の人が総スカンに合うのは考え難いですね… 昔、ぴつこ編集長に“自分以外は全員クライアントだと思いなさい! 部下であってもね” と言われたことを、ふと思い出しました」

ぴつこ「あら、アタシ良いこと言うじゃない。 忘れていたけど。でもさ、Qちゃんは好きにしたらいいのよ。これだけは言っとくけど、会社はQちゃんが辞めても辞めなくても回って行きます。Qちゃんがそこまで会社のことを考えて精神的にボロボロになるのはナンセンス」

根津「実際はそんなものなのかも知れませんね」

ぴつこ「でもさ、その人の悩みで背負っているものの重さがわかるわね。アンタ、悩みはあるの? 」

根津「ああ、この時期になると… 」

ぴつこ「なによ、言ってごらんなさい」

根津「足の甲の毛が濃いんです」

ぴつこ「はぁ?」

根津「学生時代、剣道部だったんですが、同じ部のド近眼女の子に“根津っち、足にゴミついてるよ”って言われて。その子、メガネ外していたので、私の足の甲の毛がぼやけてゴミに見えたんでしょうね。その子のこと好きだったのでショックでしたね。その晩、剃りましたけど。なので、この時期、ビーチサンダルとか履きづらくて」

ぴつこ「しょうもない、アンタの人生ペラペラね !」

根津「 … 」

次回もお楽しみに♪