そろそろ嫌な梅雨の季節です。文字通り雨が…
【エッジーナの処方箋】リカレント教育で生涯学び続けよう!
働き方が多様化しているいま、社会人の間で「リカレント教育」への関心が高まっています。リカレント教育とは、義務教育や基礎教育を終えた人が、生涯にわたって教育と就労を繰り返していく教育システムのことです。一般的には社会人が企業に入ったあとに、再び教育機関に入って学び直すことを指すことが多いです。
欧米では生涯にわたって教育と就労を交互に行うというリカレント教育の概念が根付いており、それにもとづいた教育システムが整備されています。日本はその点で遅れをとっており、一度就職した後に学び直しができる制度はまだ整っていません。ですが、リカレント教育へのニーズは確実に高まっており、政府もリカレント教育に関する予算を増やすなどの施策を行っています。
リカレント教育の必要性や教育が受けられる機関、また教育費用の負担を減らす方法などについてご紹介します。
〈目次〉
- なぜリカレント教育が必要なのか
- リカレント教育を提供している教育機関
- 教育訓練給付金対象の講座
1. なぜリカレント教育が必要なのか
- 人生100年時代の働き方に対応するため
人生100年時代だといわれる現代。平均寿命が延びたことで、より長く経済的な安定を得る必要が出てきました。そのためには、学生時代の学びだけでは不十分であり、社会人になってからもつねにスキルを身につけてアップデートしていかなければなりません。
- 社会人経験を学びに活かせるから
学生時代に自分が働く姿をリアルにイメージできる人は少ないでしょう。一方、社会人であれば教育を受ける目的や対象が明確になるため、高い学習意欲をもつことができます。また、実務の経験をふまえた学習をするなら、専門知識や技術の習得はゼロベースから学習するよりも格段に早くなるので、より価値の高い学びにすることができます。
- 出産などで離職した女性が再就職するため
女性の場合、出産や夫の海外赴任などで離職せざるをえなかった人もいるでしょう。そういった女性が再就職を目指すなら、リカレント教育で学び直してみてはいかがでしょうか。大学によっては、一度離職した女性が再就職するためのカリキュラムを組んでいる大学もあり、英語やIT、経済知識などを学び直せるようになっています。
2. リカレント教育を提供している教育機関
多くの大学で、社会人を対象とする特別枠入試がもうけられています。入試科目は「面接+小論文」というパターンが多く、学生時代のような受験対策をする必要はありません。また、夜間や土曜日に受講可能な大学院も出てきているので、働きながらでも通うことができます。
大学院などの教育機関だけでなく、民間企業も社会人向けの教育サービスを提供しています。例としては、語学関連スクールや資格取得のための講座、プログラミングやWebデザインの講座などです。また、通学しなくても動画やアプリなどで学習できるサービスもあります。
3. 教育訓練給付金対象の講座
学び直しをしたいと思ったときにネックになるのが費用です。日本ではまだ教育費用の支援制度があまり整っておらず、費用のために学びを断念せざるを得ない人は少なくないでしょう。
費用の負担を減らしたいと思う方におすすめしたいのが、厚生労働省が立ち上げた教育訓練給付制度の利用です。教育訓練給付金には大きく「一般教育給付金」と「専門実践教育給付金」の2通りがあり、それぞれ雇用保険の支給要件期間や給付される額が異なります。(詳細は厚生労働省のホームページをご覧ください)
簡単にいうと「一般教育給付金」とは、働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援するための給付金となります。対象講座の例としては、簿記検定やWebデザインの講座などがあげられます。支給される給付金は、教育訓練経費の20%に相当する額となります。
「専門実践教育給付金」は、働く人の中長期的なキャリア形成を支援するための給付金となります。対象講座の例としては、介護福祉士や看護師、AIの講座などがあげられます。支給される給付金は教育訓練経費の50%に相当する額となりますが、資格取得や就職などの要件を満たした場合は20%の給付金が追加されます。つまり、最大で70%の費用が給付されることになります。
学ぶのに遅すぎることはありません。もう一度学び直したいと思う気持ちがあるなら、自分がしたいと思う勉強をはじめてみませんか。