【実録!ラクして美魔女〜】 No.016 NYのエステへGO!~チャイナタウン編~

たまげたことに今、NYにいる。NYと言えば世界最大級の都市でファッション、芸術の発信地。そんな大都会に生まれて初めて来て、ちょっぴりビビっている四十路を過ぎた私である。

仕事の一環で訪れているのだが、ここでも貪欲に美しさを磨きたいと思う。“百聞は一見に如かず”という言葉通り、実際に体験してナンボだ。事前にガイドブックを見たものの、意外にエステ(SPA)やマッサージの情報は乏しい。ネット検索しても土地勘がないのでピンとこない。こうなったら、現地で当たって砕けようとNYに着いてから探すことにした。

タイムズスクエア付近に宿泊するので、取り敢えず近所を一緒に来たというか連れてきてもらったw2.0ぴつこ編集長と散策してみることに。

NYと言えば強盗やピストル、ドラックがうごめく街(私の勝手な妄想)だ。私は斜めにかけた黒いショルダーバッグをしっかりと握りしめ、周りを警戒しながら歩いた。途中、タイムズスクエア前で黒人男性と肩がぶつかり、異常なほどに驚くと黒人男性は「ソーリー」と紳士に謝ってきた。私は「以外に気のいい黒人男性ですね」と、ぴつこ編集長に言うと「あんた大丈夫?」と、白けた目線をおくられた。私は日本人特有の愛想笑いで返すと「アンタさ、ニューヨークと言えども、この辺は安全よ。ハーレムとか絶対行っちゃいけない地域さえ踏み込まなければ大丈夫」と、ぴつこ編集長は言うが、そもそもぴつこ編集長はNYで暮らしていたこともあるから土地勘があるのだ。だから私の気持ちなんかわかるもんか、と思っていたのだが暫く歩くと観光客ばかりなので大丈夫な気がしてきた。

調子に乗ってきた私がタイムズスクエアの広場を指さし「ここは日本に例えると秋葉原ですか? あそこのEXPRESSの電光看板、オノデンぽくないですか?」と言うと「全然違う」と、また冷たい目をされる始末。これ以上、しょうもないことを言って、ぴつこ編集長をイラっとさせるより、今はお口にチャックをした方が賢明のようだ。

そして、私はエステやマッサージ店を探すことにしたのだが、どうやらNYではエステとは標記しないらしい。SPAやマッサージという言い方が一般的らしいのだ。目に付くマッサージ店はネイルと一緒になっていることが多く、価格も日本と同じくらいかチップも入れるとNYの方が高いくらいだ。ちょっと、予算的にここでは何件もマッサージを巡ることが出来なそうである。次の日はチャイナタウンに行く予定になっていたので、そこのマッサージの相場を調べてみると、タイムズスクエア付近の半額程度でマッサージが出来ることが判明。チャイナタウンでマッサージを受けてみることに。

翌日、チャイナタウンで会食する前にマッサージに行かないかと、ぴつこ編集長に提案。快くOKしてくれたのだ。

NYは時間帯によって渋滞するので地下鉄で移動することにした。地下鉄の乗り方も分からない私は、ここでもぴつこ編集長におんぶにだっこ。ぴつこ編集長のおかげで無事にチャイナタウンに到着。駅を出ると、まさにそこは中国。ライチやドラゴンフルーツなどが路上の商店に並んでいた。それを横目に歩き進んでいると、でんがな、まんがな調の大阪弁が聞こえてきた。ふと見ると、30代の日本人男性二人組だった。NYでも強烈な印象の大阪弁。意外な場所で大阪弁の凄さを目の当たりにする。

チャイナタウンをふらふらしていると、足裏&マッサージの看板が至る所にある。値段も大体、ボディ60分$42、フット60分$32と低価格。チップを入れても日本と大して変わらない。さて、どこに入るか決めかねていると、ぴつこ編集長が「ここにしましょう」と、地下へと入る薄暗い少し怪しげなマッサージ店へ入った。受付の女性は中国語しか話せず、メニューを指さした。私たちは、60分のボディコースをお願いした。

店内の待合所にはマッサージ師と思われる中国人たちがスマホを片手にやる気なさげに椅子に座っている。案内された部屋は紫の壁紙に簡素なベッドがあるのみ。一抹の不安は過ったが、ジェスチャーを交えた中国語に従い、服を脱ぎベッドにうつ伏せになった。顔を埋めたドーナツ型の枕はオヤジの加齢臭がした。

内心、マジか… と思ったが、もう引き返すことはできない。途方に暮れていると、女性のマッサージ師が入ってきてマッサージを始めた。

私の体にタオルをかけて手際よくツボを押していく、その手はゴットハンドと呼ぶに相応しい腕前であった。さっきまでの一抹の不安が一気に吹き飛んだ。

言葉は通じなくとも、私の体とよく会話をしているようで凝っているところは念入りにマッサージしてくれ、圧も場所によって強弱をつけて押してくれる。極楽マッサージのおかげで枕のオヤジの加齢臭の匂いもどうでも良くなっていた。

指圧が終わったら、オイルマッサージとストーンマッサージもしてくれた。これも指圧同様、何も言わずとも私の疲れを察知し、時間いっぱいまで余すことなく施術をしてくれた。日本でもこんなに上手なマッサージを味わったことがないくらい上出来だ。私が億万長者なら金に物を言わせ、この人に日本へ来てもらい専属のマッサージ師として雇いたいくらいである。

マッサージを終え、待合室でぴつこ編集長にマッサージの感想を聞くと、私と同じく極楽浄土だったという。ということは、マッサージ師一人一人のレベルが高いのではないかと思う。流石、中国五千年の歴史は違う。金額は8ドルのチップを含め、合計一人$50。日本円にしても6千円いかないではないか! 嬉しい限りである。

私もぴつこ編集長も大満足のNYチャイナタウンのマッサージだった。