【実録!ラクして美魔女〜】 No.007 おデブ女子は罪なのか!?

これは、今より“おデブ女子”への風当たりが強かった頃の話である。

私は幼少期から好き嫌いが激しく、食が細い子供でチビの痩せっぽっちだった。

野菜嫌いで、肉の脂身が苦手で肉自体ほどんど食べることはなかった。

自ら進んで食べるのはハウスのシチューとココアのミロの粉と毎朝家に届く瓶に入ったヨーグルトのみであった。

こんなに好き嫌いの多い子供をもったにも関わらず親は私の好きそうなものを食卓に並べるなど気遣うことは一切なく、それどころか我が家は酒のツマミ系のイカの塩辛やホヤの酢の物などが晩御飯のおかずだった。完全に親の好物である。これでは私の食がすすまないのも無理はない。

偏食気味だったこともあり、常に痩せっぽっちだった私は”自分は一生太れない体質”だと思い込んでいた。

だが、これが後に悲劇を呼ぶことになるのであった

20代そこそこの時である。

突然、胃のキャパが広がったことがあった。ラーメン一杯で満腹になっていた胃袋が追加でチャーハンと餃子も腹に収めないと満足しない状態になってしまったのだ。私は太らない体質だし、もっと食べて太ったくらいが丁度いいや。と楽観的に考え、胃が満足するまで食べに食べまくった。

すると、だんだん着るものもピチピチになり、普通のTシャツもチビTになっていった。これはおかしいと思い、オカンに「ちょっと、ちゃんと洗濯してる? 全部服が縮まってるじゃん」と言ったら、オカンは目を吊り上げ「バカ言ってんじゃないよ! あんたが勝手にブクブク太っといて、何を言ってんの!」と怒られたのである。はて?オカンは何を言っているんだろうとすら思い、この時も自分がデブになっていると思っていなかった。

そして、この頃を境に男性から蔑んで見られるようになった。

私に好意を寄せていた男性と一緒にファミレスに行った時のことである。内心、奢ってくれるだろうと思いながら財布を出すと男は私に伝票を渡し、先に店を出て行ったのである。まぁ、いつもごちそうになってるし、これくらいでつべこべいう器の小さい女ではない。

だが、店を出て男から「ごちそうさま」と言われるどころか、「デカいケツしてるね。なんか、太ったよね」とズバリ言われたのだ。ガーン… と落ち込むと同時に私が痩せていた時この男は「外見は関係ないよ。女の子は中身だよ」と言っていたのを思い出した。この男とごはん止まりで良かったわ、と女の操を守った自分を褒めた。

 

 

それにしても、女が太ることがこんなにも否定的な目で見られるのはどうしたものか?

誰にも迷惑はかけていないではないか?と腑に落ちないでいたが、とりあえず家に帰り体重計に乗ってみることにした。目方の針が示した数字に私は驚愕した… 体重が10キロ増量10%増量中と書かれた洗剤が据え置き価格で売っていると有難く感じるが、体重の増量はちっとも有り難くない

このままだと服を新調しなければならないし、大した男でもないヤツに言いたい放題言わせるだけだ。

こうして、私は一念発起をして人生初のダイエットに励むことになるのであった…

次回に続く。