【エッジーナの名言】 キャリー・フィッシャー「地獄を見てこそ、そこから本当の幸せを感じられることもある」

“地獄を見てこそ、そこからじわじわと本当の幸せを感じられることもあるのよ”
ーーキャリー・フィッシャー


キャリー・フィッシャー(1956-2016)
女優、脚本家、小説家

往年の大ヒット映画『スター・ウォーズ』シリーズのヒロイン、レイア姫の役で一世を風靡した女優キャリー・フィッシャー。女優業のほかに脚本家としても活躍しマルチな才能を見せてハリウッド業界に偉大な功績を残しました。

フィッシャーは、カリフォルニア州ビバリーヒルズ出身。エディ・フィッシャーとデビー・レイノルズというハリウッドスターを両親に持ち、幼い頃から両親と同じ道を志していました。彼女が19歳の時、まだ小さなプロジェクトだった『スター・ウォーズ』のオーディションに参加。ジョディ・フォスターと最終選考を争った末にレイア姫の役を勝ち取り、映画の大成功ととも彼女自身も一気にスーパースターへと登りつめます。

フィッシャーは『ブルース・ブラザース』や『恋人たちの予感』など、次々とヒット作に出演しますが、一方で若くして周囲から大きなプレッシャーを受けたことに耐えきれず、共演者とともにドラッグ中毒に陥ってしまいます。この時の苦しみを後に彼女は『崖っぷちからのはがき』という自伝的小説で赤裸々に描き、1991年に『ハリウッドにくちづけ』という題名で映画化され自身も脚本を担当。英国アカデミー賞脚本賞を受賞する快挙を成し遂げます。

一方、双極性障害も患っていた彼女は徐々に演技から遠ざかり、執筆活動に専念するように。ロマンス小説『Surrender the Pink』や、自伝小説『The Best Awful There is』などを発表してその才覚を表します。双極性障害に苦しんだ経験を綴った『Wishful Drinking』は舞台化され、自ら主演を務めました。そして、2017年には『スター・ウォーズ・最後のジェダイ』で歳を重ねたレイヤ姫としてこの映画にカムバックし、往年のスター・ウォーズファンを沸かせました。結果的にこの作品が遺作となり、彼女は2016年に心臓発作が原因で60歳にしてその生涯を閉じます。

若い頃に大きな成功を収めたがゆえに、ドラッグ中毒や精神障害など辛い経験もしてきたフィッシャー。常に「レイア姫」と比較されることから、ずっとこの役のことを憎んでいたとも言います。しかし、最終的には再びレイア姫の役に戻ることで、長年抱えていた苦しみを解き放つことができたのです。彼女が見てきた「地獄」ほど壮絶でなくても、苦しみや悲しみに直面した経験こそ幸せをもたらしてくれることもあるのだと、そんな希望を感じさせてくれる名言ではないでしょうか。