【本日のアゲ本】「自炊は買えるんです」自炊力を鍛えよう

『自炊力』 白央篤司 著/光文社新書

日々忙しく過ごすW2.0的女性にとって、毎日の自炊はなかなかハードルが高いもの。料理は嫌いじゃないけど、時間も気力もなくて作れないという人も多いと思います。
もし、あなたが自炊ができていないことに何となく後ろめたさを感じているとしたら、この本は間違いなく一読の価値があります

料理力よりも自炊力

フードライターとして時短レシピなどを発信してきた著者は、「料理力よりも自炊力が大事」と説きます。自炊力とは聞き慣れない言葉ですが、著者の考えによれば、料理の腕やレパートリーのみならず、献立を考える力や買い物のテクニックなど、食に関する様々な能力が組みあわさった総合力なのだとか。

そう聞くと何だか難しそうに感じる人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。なんたって、自炊力を高めるための第一ステップは「自炊しないこと」から始まるのですから。

これまで料理をしてこなかった人にいくら「自炊は健康的で経済的だから今日から始めましょう!」と言ったって、それは酷な話。できるならとっくに始めています。

ならば、どう買うか?

今まで漫然と食べたいものを買っていた人が、栄養バランスを考えながら買うだけでも、それは自炊力アップにつながると著者は説きます。買い物は別にコンビニで済ませたってOK。後ろめたいことなんて何もありません。

その際にちょっと野菜を足したり、塩分を少ないものを選んだり、主食・主菜・副菜を意識してみたり。その心がけと行動が自炊力をつける最初の一歩なのです。

食べ物の栄養や分類が理解できるようになったら、次は量を考える。その次はちょい足しでプチトマトやきゅうりを切ってみる。その次は冷凍野菜を使ってみる。と、段階的にステップを踏みながら少しずつ料理する割合を増やしていき、気づいたら自炊が習慣化されている。という状態に導いてくれるのが本書の魅力です。

自炊に無理は禁物

経済性や品質を考えながら食材を買ったり、余った食材を使っていく、そして時には全く自炊しないで息抜きをする。

無理なく続けながら、たまにトライして自炊のモチベーションを上げていく。このように、肩の力を抜いて楽しく自炊する方法をたっぷりと指南しています。

なんにせよ、まずは「買う力」を高めることから。忙しいから自炊は無理、料理なんて向いていないという「思い込み」が覆される快感を味わってみませんか?