【エッジーナの名言】　ココ・シャネル「謙虚さとはエレガンスのことよ 」

“美しさは女の武器であり、装いは女の知恵。

そして、謙虚さとはエレガンスのことよ”　

−ココ・シャネル

修道院シスターのスパルタ教育がシャネルの原点!?

ココ・シャネルの本名はガブリエル・ボヌール・シャネル。1883年、フランス南西部ソミュールの救済病院で生まれました。しかし、11歳のときに母ジャンヌが病死し、行商人の父アルベールにも捨てられ、孤児院や修道院で育てられることになりました。

孤児院と修道院での生活は規則正しく厳しい決まりがたくさんありましたが、食事は質素でありながら栄養バランスに優れ、ひもじい思いをすることはなかったそうです。

また、手先の器用だったシャネルは、繊細なフランス刺繍や手芸などの基礎をシスター達に手厚く教えてもらいながら学びました。

彼女の確かな縫製技術と勤勉なライフスタイルは、まさに孤児院でのストイックな生活や修道院でのシスター達による厳格な教えが原点だったと言えます。

贅沢な愛人生活or自立した生活。ココが選んだのは…

シャネルは18歳で孤児院を後にし、お針子仕事の傍ら、歌手を志してキャバレーで歌い始めました。当時よく歌っていた曲名にちなんで、「ココ」という愛称で呼ばれるようになったのはこの時のことです。

その後、歌手の道はあきらめたココですが、当時交際していた資産家の将校に誘われ、パリ郊外の大邸宅へと移り住みました。いわゆる愛人生活のスタートです。

人生で初めて手にいれた贅沢で不自由のない暮らし。しかし、すぐにココはそのような生活に疑問を抱くようになり、自立して働くことを夢見るようになります。

暇つぶしに作った帽子が運命を変える

転機は唐突に訪れました。きっかけは、退屈しのぎに作った帽子。このデザインがまわりから認められ、1909年に将校の援助によって帽子のアトリエを開業します。翌年には「シャネル・モード」という帽子専門店を開店。彼女の若々しいデザインは魅力的で、歌手や女優がかぶり始め、瞬く間に人気を呼ぶようになります。そして、1915年には「メゾン・ド・クチュール」をオープンし、翌年コレクションを発表して大成功を収めます。

1921年、かの有名な香水「オードゥ・パルファムNo.5」が誕生。世界的なベストセラーとなり、女性たちの憧れの象徴に。1924年には香水会社「パルファム・シャネル」を設立し、彼女は不動の地位と名誉を得ることになります。

しかし、第二次世界大戦中、ココはドイツの親衛隊少将と愛人関係にあったため、フランス解放後に非難を浴びてスイスへ亡命。ブティックも閉鎖に追い込まれてしまいます。

長い沈黙期間を経た1954年、彼女はスイスからパリに戻りブティックを再開します。当時ヨーロッパでは彼女を批判する声も少なくありませんでしたが、ウーマンリブ全盛期で女性の社会進出がめざましかったアメリカで熱狂的なファンを生み、見事にファッション業界へのカムバックに成功します。

その翌年シャネル・スーツを発表。モード・オスカー賞の栄光を手にします。その後も後世に残る名作の数々を生み出し、1971年、自宅にしていたホテル・リッツにてその人生の幕を閉じました。

どんなに大きな成功を手にしても、最後まで謙虚さは失わなかった

ファッションを極めた人物だけあって、彼女は装いが知恵から生まれてくることを知っています。そして、美しさは武器であることも知っています。

一方、これだけの大きな成功を収めたにもかかわらず、「謙虚さ」にエレガンスを見出しているところがココ・シャネルならではの魅力ではないでしょうか。

きっと、幼少時代から厳しい境遇にさらされながらも、数多くの人々に助けられてチャンスを手にしてきたからこそ、謙虚さを忘れない姿勢が理想の女性の姿であり、また成功の秘訣だと考えるのだと思います。

「女性の自立」という概念すらなかった時代に、自ら人生を切り拓く女性のロールモデルとなり、生涯にわたって女の武器や知恵、そしてエレガントさを追求し続けた彼女の言葉は、現代に生きる私たちにも勇気を与えてくれます。