【本日のアゲ本】婚活に悩んだら歴史を学べ

『日本婚活思想史序説: 戦後日本の「幸せになりたい」』

佐藤信 著/東洋経済新報社(2019年)

 

「婚活」から結婚の歴史を紐解く

近年、結婚しない人が増えています。

現在は当たり前のように結婚する時代ではなくなり、生涯独身を選ぶ人も少なくなりました。とはいえ、出生動向調査によると「未婚者の9割弱がいずれ結婚するつもり」だと答えており、実際に多くの人が結婚を目指して「婚活」しています。

 

現在の婚活は、自分のニーズを明確化し、その条件に沿ってターゲットを探す「マーケティング婚活」だといわれます。

“白馬の王子様幻想”が形骸化した現代だからこそ生まれた婚活の手法です。しかし、マーケティング婚活に違和感があったり、婚活が嫌だという女性も多いでしょう。

 

「そもそもなぜ結婚しなければならないの?」と結婚自体に疑問を感じている女性も少なくないのではないでしょうか。

 

独身・既婚を問わず、結婚に疑問を感じたり、結婚の意味を改めて知りたいという女性におすすめしたいのが、戦後日本の婚活史がまとめられた本書です。

婚活の歴史を紐解くことで、なぜいまマーケティング婚活が流行っているのかが理論的に解説されています。また、婚活とは一見私事のようですが、実はそのときどきの社会状況に大きく影響されていることや、少子化対策の一貫として国家戦略のなかに位置づけられてきたことなどが、政治学者である著者によって暴かれています。

 

本書は「読めば結婚できる」という類の本ではありません。

けれども、結婚や婚活という言葉に振り回されている女性にとって、結婚や婚活の歴史を学ぶことは「結婚の意味を客観的に捉え直す」という面でとっても有効です。

また、エッジーナであることに既婚も未婚も関係ありませんが、誰にとっても人生の一大事である結婚の歴史を知ることは、知的に生きることにもつながるのではないでしょうか

独身生活や結婚生活に向き合うすべてのエッジーナにおすすめしたい本です。