【本日のアゲ本】 女性は、女性専用のコーチングでうまく行く!


『コーチングの神様が教える「できる女の法則」』
サリー・ヘルゲセン&マーシャル・ゴールドスミス 著 斎藤聖美 訳/日本経済新聞出版社

男と女で「できる人」には違いがあった

そんな副題がつけられた本書は、そもそも『コーチングの神様が教える「できる人の法則」』というベストセラー本の続編であり、今回は女性向けに書かれたもの。

女性がキャリアアップするうえで、弊害となる考え方を紹介し、その解決策を提示していきます。

副題にもあるように、男女では感性が違うことを前提に、女性の成功を阻んでしまう悪癖を12の項目に分けて書かれています。

まだまだ男性に都合よく作られているビジネス社会において、あらゆる価値観や行動規範が男性に有利に働く場面は多々あるもの。しかし、男女の違いを深く知っておけば、女性に有利な状況を作り出すことは不可能ではありません。

本書では女性がどのように考えればよいのか、またどのように考えてはいけないのかが明快に説明されています。

たとえば、女性は男性よりも「他人の手柄を横取りして自分の手柄にする行動」を取ることが少なく、むしろ「自分の手柄であることを口にするのをためらう」傾向があるといいます。

また、自分は正しいと思う代わりに、他人を喜ばせたいと思ったり、完全でありたいと思ったりする傾向も女性のほうが強いもの。ただ、それが成功の妨げになっている可能性を著者は鋭く指摘します。

「自分のせいでもないのに、謝ってしまう」。あぁ自分のことだな、と共感する読者も多いのではないでしょうか?

あるいは、男性に仕事上の悩みを相談したとします。その時に男性も一生懸命考えてアドバイスしてくれたとしても、「なんだか違う」と感じたことはありませんか?そんな男女の違和感の理由は本書を読むとはっきりするはずです。

男性は自分のキャリアを積むことに焦点を当てて仕事をする傾向にあります。一方、女性は責任感が強く完璧主義で、まわりに気配りできるため人間関係も築きやすい。しかし、自分のキャリアアップのために活用することはあまり得意ではありあせん。つまり女性の責任感や優しさがキャリアにとっては邪魔になることがあるというのです。

特に、「これまで長所であった行動がある時点から、欠点となる」という指摘、また女性が陥りやすい「キャリアより仕事を優先する」、「自分の実績をきちんと言わない」、「矮小化する」、「専門性を過大評価する」という指摘は、まさに目からウロコではないでしょうか。

本書で、女性特有の12の悪癖として取り上げられていることをご紹介します。

  1. 自分の実績をきちんと言わない
  2. 仕事ぶりをほかの人が自然に気づいて報いてくれると期待する
  3. 専門性を過大評価する
  4. 人間関係を築くだけで活用しない
  5. 初日から協力者を得ようとしない
  6. キャリアより仕事を優先する
  7. 完璧主義の罠に陥る
  8. 喜ばせたい病
  9. 矮小化する
  10. やりすぎる
  11. 反芻する
  12. 自分のレーダーで注意散漫になってしまう

いかがでしょうか。この12の悪癖を見ただけで、読んでみたいと思いませんか?本書は、職場で目標とするロールモデルがいなくて悩んでいる方。また、自分の現在の職場での5年後、10年後がイメージできなくて困っている方にとって、ためになるヒントが満載です。ぜひ、本棚に一冊、いつでも読める場所に置いておきたい本だと思いました。