【エッジーナの名言】 坂東眞理子「コアになる強みは、3つ持っていれば心強い。どんな状況におかれたとしても、どれかひとつのコアを活かせればいい」

“コアになる強みというと、ひとつに絞るものと捉えがちですが、3つ持っていれば心強いですよね。どんな状況におかれたとしても、どれかひとつのコアを活かせればいい”

ーー坂東眞理子

坂東眞理子(1946)

作家、評論家

「女性の活躍」を提言し、政策を変え、自らも実践した「超有言実行」なエッジーナ

現在、昭和女子大学の理事長・総長を務める坂東眞理子さん。ベストセラーとなった『女性の品格』の著者と聞くとピンと来る方も多いかと思います。東大卒のキャリア官僚として女性政策を積極的に推し進め、言葉、行動の数々で女性の新しい生き方を提言し、自ら切り拓き、そして応援してきた人物です。

坂東さんは立山連峰を望む富山県に生まれ、小さい頃から読書好きで将来は小説家や研究者になることを夢見ていました。秀才だった彼女は富山県の名門である中部高校に進学し、その後東京大学の心理学科へと進みます。卒業後は総理府に入省。婦人問題担当室が発足した1975年、最年少の担当官として参加し、その頃から休日の時間を生かして女性の社会進出に関する執筆活動をスタートさせます。

『女性は挑戦する』(78年)、『現代ヤングレディ考』(79年)、『女性は消費者のみにあらず』(80年)といった著作を次々と発表する傍ら、ハーバード大学にも留学して自らも研鑽。統計局消費統計課長、埼玉県副知事、在豪州ブリスベン総領事、内閣府の男女共同参画局長と「女性初」と言われるポジションを次々と歴任することで、女性のキャリア進出の道を切り拓きながら、今でこそ当たり前となりつつある「女性はもっと社会で活躍すべき」という声を率先して上げ続けてきました。

2003年に長年務めてきた公務員を辞めて、昭和女子大学の教授に就任。そして、2006年に一つの集大成とも言える『女性の品格』を上梓し、大ブームを巻き起こすことになります。キャリアアップを目指す女性が身につけるべき装いや態度や行動の「品格」を示した本書は、多くの女性のバイブルとなり、明日への活力となりました。

坂東さんは、まさに「有言実行」という言葉が似合う人物です。まだ「女性は家庭を守るもの」という価値観が深く根付いていた時代に、女性の活躍を提言するだけでなく、国政に携わって女性がもっと活躍するための政策を整えることに奔走し、また自らもキャリアを研鑽して「女性初」と言われる進路を開拓し、女子大学長およびベストセラー作家として社会的にも大きな成功を収めています。

そして、冒頭の言葉が示すように、「コアになる強み」を複数生かして活躍している点も大切なポイント。複数の強みを組み合わせることで、自分の可能性を広げ続ける。これは女性に限らず、これからの時代を生きていくすべての人にとってヒントになる考え方ではないかと思います。