【アゲ本】10年後に、後悔しない生き方

『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』

ボブ・トビン著/ディスカバー

 

未来のために、今を生きながら考える

著者は慶応義塾大学の名誉教授にして、ビジネスコンサルタントのボブ・トビンさん。長年、学生やビジネスパーソンのキャリア相談に応じてきた著者が、望みどおりの人生を生きるためのメソッドを公開しています。

ボブ・トビンさんのところには、毎週のように大学のかつての教え子や働き方に関する講演会などで知り合った人たちから連絡が来るそうです。仕事に関する相談事を中心に、キャリアに関する悩み事が多いといいます。

転職を考えている人、自分の選択が正しいのか不安な人などなど。中には、今の仕事がどれだけ充実しているか報告がしたい人も。つまり、かつての教え子から信頼され、愛されている先生と言えそうです。なぜそんなに相談が来るかというと「講義で話したことが、印象に残っているから」とボブ・トビンさんは言います。彼はキャリアデザインについての講義に定評がある方なのです。本書のコンセプトは、自分らしく働き、最高の人生を送るための集中講義。講義と言っても、楽しみながら読んでほしいとのことです。なぜなら、あなたのために書いた本だから、と。

 

語り口はやさしく、そして深い説得力

読んでみた第一印象は、語り口がやさしく、すっと内容が入ってくるということ。訳者である矢島麻里子さんの文章も読みやすく、翻訳本にある不自然さがありません。内容についても、キャリアデザインの専門家らしく、若者が社会人になったとき、どのような時期にどのような悩みを持ち、上昇するきっかけはどこにあるのか。これまでの経験から、多彩な事例に基づいて書かれているので、とても説得力があります。

以下、目次を簡単にご紹介します。

■Lesson1   充実した働き方を手に入れる方法

■Lesson2     最悪の決断は何も決めないこと。

■Lesson3    自信を身につけ、持ち続ける

■Lesson4    行動を妨げる不安を克服する

■Lesson5    学びは一生の財産

■Lesson6    ただなんとなくMBAをとってはならない

■Lesson7    常に付加価値を発揮する方法

■Lesson8    幸せでいることを最優先する

■Lesson9    世界を広げる

■Lesson10  逆境をバネにする

■Lesson11  すべてはあなた次第

 

このような感じで、まさに集中講義と言うにふさわしい内容になっています。目で追うだけでモチベーションが高まり、やる気にさせてくれます。これだけで、良書の予感がしませんか?

本書の最終盤あたりで、ボブ・トビンさんはこのように書いています。「最終的には、自分の決断に自分が納得できればいいのです。これは自分勝手とは違います。自分を大事にするということです。計画や決断について人に相談し、アドバイスを求めてもかまいませんが、最終的にあなたのキャリアに責任を負っているのはあなた自身です。(以下略)」。

そして、最後にこう問いかけています。「最後に、仕事について一番重要な疑問をあなた自身に問いかけてください。」

 

これはあなたの望む人生ですか?