【エッジーナの名言】 ソフィア・アモルーソ「大事なのはビジネスよりも情熱よ。」

“大事なのはビジネスよりも情熱よ。自分の情熱に従い、決して振り返ってはいけないわ。”

――ソフィア・アモルーソ

ソフィア・アモルーソ(1984-)

実業家、投資家

 

ソフィア・アモルーソ(Sophia Amoruso)は、古着の通販サイト「ナスティ・ギャル」で企業価値100億円超えの会社を創り上げた若き起業家。雑誌『フォーブス』の「30歳未満で最も影響力が大きいファッション・リーダー30人」に選出されています。また、どん底の人生から成功を掴み取った生き様を賞賛する人が多く、そのサクセスストーリーはNetflixのオリジナルドラマ『ガールボス」になるなど、日本でも「アメリカ版ビリギャル」と言われて話題となった人物です。

 

ソフィアは1984年サンディエゴ生まれ。小学生の頃から学校に馴染めず、ヴィンテージのファッションに夢中になるなど、ちょっとした変わり者に見られていた彼女。高校生の時に医師から注意欠陥障害と診断されてしまい、ショックを受けたソフィアは学校を中退します。さらに、両親が離婚し兄弟もおらず孤独に打ちひしがられた彼女は、やがて万引きやごみ箱漁りなどで日々を過ごすようなどん底の生活を送ります。遂には窃盗で逮捕されてしまい、その後いくつかの土地を転々としてサンフランシスコに引っ越すことに。ここでもすぐに仕事をクビになる生活が続きます。

しかし、22歳の時に持病のヘルニアを手術しないといけなくなったソフィアは、医療保険を手に入れるために、美術大学の受付の仕事に就きます。同時期、彼女はインターネットオークションサイトのeBayで自分が若い頃からコレクションしていたヴィンテージ古着を販売してみたところ、かつて値切りに値切って1000円以下で買ったヴィンテージの古着が、なんと10万以上の値段で売れたのです。この成功体験を彼女は見逃さず、ebay内に「ナスティ・ギャル」というショップを立ち上げてヴィンテージ専門の古着通販を行うと、驚くほど高値で次々と服が売れていきます。

やがてebayから独立し、美大の仕事も辞めてECサイトを設立。このサイトはすぐさまインターネットで話題となり、8年後には年商100億円の一大通販サイトへと急成長を遂げます。彼女も一躍時の人となり、自らの人生を綴った『#Girlboss』はベストセラーに。不良少女だったどん底の人生から雑誌『フォーブス』の「30歳未満で最も影響力が大きいファッション・リーダー30人」に選ばれるほどの成功を手にしたのです。

しかし、その後彼女は従業員との軋轢などからCEOを退任。すると、ナスティ・ギャルは資本やバイヤーの確保に難航し、最終的にはイギリスの企業に買収される形で幕を閉じます。

現在は、女性の起業を応援するファンドをサポートしているソフィア。やりたいことに対する情熱を持つ女性に自分と同じようにチャンスを掴みとってもらいたいと、積極的な投資活動を行なっています。

 

彼女は冒頭の言葉のように、自らの情熱に正直でいることを何よりも大切にしていました。ナスティ・ギャル立ち上げ当時、美大の受付の仕事を手にしたことで医療保険に加入でき、持病のヘルニアを手術する目処も立っていました。苦難に満ちた人生から、ようやく安定した仕事と暮らしが手に入る。このタイミングで美大の仕事を辞めてナスティ・ギャルの運営に専念するべきか、とても悩んだそうです。

その時に出した結論が、「自分の情熱に従い、決して振り返らない」というもの。リスクを背負ってでも、情熱が沸き起こる道に突き進む。この決断が彼女の人生を大きく変えたことは言うまでもありません。ちなみに、美大の仕事を辞めたのはヘルニアの手術を終えてからのこと。情熱に従いながらも、ただやみくもに走るのではなく、こうした冷静さを併せ持っていることも彼女が成功した要因の一つかもしれません。

私たちの人生は選択の連続です。決断に迷った時、自らの「情熱」に従って道を選ぶことが、人生を大きく開いていくきっかけになるのではないか。そんなことを思わせてくれる名言だと思います。