【本日のアゲ本】 成果も評価も年収も幸せも「気くばり力」次第

「できる人は必ず持っている一流の気くばり力」
安田正 著/三笠書房

仕事は気くばりに始まり、気くばりに終わる

みなさんはふだん仕事をしているとき、「気くばり」を意識していますか?

「そんなの、全く気にしない」という人はさすがに少数派かもしれませんが、「私は完ぺき!」という人も少ないのではないでしょうか?

気くばりは、常に心がけていても思い通りにやるのはなかなか難しいもの。良かれと思ってやったことが逆効果だったり、何だかあざとく見られたり、タイミングが違ったり…上手くいかない経験をしたことは誰でも一度はあると思います。

でも、「気くばりできる女性って素敵だなぁ」と呑気なことも言ってられないかもしれません。本書の著者である安田正さんは、「気くばりとは、すべての仕事の成果を生み出す源泉」であると言います。それどころか、「仕事は気くばりに始まり、気くばりに終わる」「気くばりが、お金も幸せも左右する」とまで言い切ります。

「え、気くばりってそんなに重要?…」と驚くかもしれませんが、著者は実際に企業の役員や経営者と交流するようになって、「一流の方々は、みなさん1人残らず、気くばりの達人だ」と気付いたそうです。そして、本書を読み進めていくと、確かに気くばり次第で仕事のクオリティも人間関係も、そしてキャリアも大きく変わっていくのだと気付かされます。

本書はそんな「気くばり力」の磨き方を、体系的にわかりやすく指南してくれる1冊。

たとえば、

相手目線で、仕事の「スケジュール」を組む(俯瞰力)

・ひと声かける、「勇気」と「手間」を惜しまない(共感力)

・トラブルの処理では、両者のメンツを考える(論理力)

表情に一工夫して、“かわいがられ度”アップ(サービス精神)

・「相手と話したこと」を次に会うときのためにメモしておく(尊重)

など、気くばりのポイントを挙げつつ、「相手の名刺の裏に日時や用件、特徴などを書き込んでおく」といった基本から、ワンランク上の気くばりとして「会話に出た本を読んでおいて、次会ったときに感想を話す」など、ちょっとした違いで圧倒的な差を生み出す方法も紹介してくれます。

さらに、気くばりにはいくつかのタイプがあり、個々の経験や性格によって得意な気くばりと、苦手な気くばりがあると説く安田さん。巻末のチェックシートを活用すれば自分の気くばり力をグラフ化できるので、得意な気くばりと苦手な気くばりを客観的に知るいい機会になるでしょう。

著者いわく、気くばりとは「人と人との間の見えない空気を、よいものにすること」。これこそが、仕事の枠を広げ、成果と評価を高め、お金も幸せも運んできてくれると言います。

気くばりは相手のためにするものですが、最終的には自分自身にも圧倒的なメリットをもたらしてくれます。「気くばりはできるに越したことないけど、別に仕事で一番大切なことじゃない」と思っているビジネスウーマンこそ、騙されたと思って一読していただきたい一冊。人生が変わる大きなきっかけになるかもしれません。